の出し方知ってる?


世の中には2種類の人間がいる。Macユーザーとそれ以外だ!

Mac特殊文字

OS X が他のOSと違うところに一つに、キーボードから直接入力できる文字種の多さがある。実際にその文字を表示させるには文字コード云々の話とかもあるんだろうけど、それはとりあえずおいといて、たとえばWindowsなら「きごう」と入力して変換していかなければ入力できない文字も、ショートカットキーで入力が可能なのだ。その有名な例が“”である。

の入力方法

Macを使っている人は、どこか文字入力が可能な場所をクリックしてカーソルを表示し、“option + shift + k”と押してみよう。が入力されるはずだ。

他には? 他には?

例えば、最近話題の(?)ウムラウトは英字入力モードで“option + u → a”と押せば、“ä”と入力されるだろう。“option + u”でウムラウト¨の指示を出し、直後に合わせる文字“a”を押している。“option + u → o”なら“ö”だ。*1
それ以外にもたくさん、というかほとんどのキーで“option”との合わせ技を持っている。Macの日本語キーボードでそれを調べたのが下記の画像だ。

各キー、上下二段になっており、上が“option + shift”と合わせることで表示される文字、下が“option”と合わせることで表示される文字である。また、赤い文字はウムラウトなので、キーを入力後、“aouAOU”のどれかを押す必要がある(例では“a”を押してる)。青い文字は、ことえり使用中はショートカットがバッティングしてしまい、入力できない文字だ。どうしても入力したい場合は、“言語とテキスト”環境設定から“U.S.”などをONにし、そのモードにした上で入力する必要がある。

なんか意味あるの?

日本では(風習的に)あまり気にする必要はないのだが、海外ではとても重要な文字がこの中に含まれている。たとえば俺がさっきから使ってる「“ ” ( option + @) (option + shift + @)」だ。プログラマには馴染みの深い、いわゆる「ダブルクォート」だが、プログラミングで一般に使われる「" ( Shift + 2 )」は実は英文において使われる文字ではない*2。引用等の意味でダブルクォートを使うときは「“ ”」を使うのが当たり前なのだ*3。そのため、文章中に使われる「"」は一般に「マヌケ引用符(dumb quote)」と呼ばれている。カッコつけて英文を使うことのあるデザイナーや、英語論文を書く学生は要注意だ!カッコつけたつもりが「マヌケ」を晒してることになってしまう。もちろん、シングルクォートも「' ( Shift + 7 )」ではなく、「‘ ’ ( option + [) (option + shift + [)」である。ちなみに「“ ”」はペアであり、この向きが左右、もしくは上下逆になることはあってはいけないようだ。とはいえ、フォントの形状によってその表現方法も変わってくるので、見た目だけ考えるならあまり重要ではないかもしれない(ただ、どのフォント使っても “ ” という組み合わせにならないならそれは入力された文字がそもそも間違ってると捉えられるだろう)。

他にも、“10:00 a.m.–6:00 p.m.”などの“– (en dash / option + -)“。日本では“〜”が使われるのが一般的だが、海外では“–”が使われる。また、en dashは「ハイフン」でも「マイナス」でもない。表示環境によって大差なくなってくるかもしれないが、その違いを比べてみよう。

  • - ハイフン(マイナス)
  • – en dash
  • ― em dash

おわかりだろうか。en dashはハイフンより少し短く、em dashはハイフンより長い。日本では「〜」でいいかもしれないが、英語圏が表示対象であるなら気をつけたほうがいい点でもある*4

もう一個紹介させてもらおう。それは“…”である。中黒を3つ繋げる「・・・」でも、中黒の変換候補にある「…」でもない。“...”でもない。“… (option + ;)”である。意味は、普通の三点リーダーと同じで、語尾の省略や、発声の弱い様を表すんだと思うんだけど、日本語では一般的に上下中央に置かれる「・・・」も、欧文ではベースライン揃えなのが当たり前。また、同じベースライン揃えでも、ピリオド3つ並べたわけじゃないので、別のものとして扱うらしい。ちなみにこの“…”、名前を「エリプシス」というらしい。ちょっと比べてみよう。

  • ・・・(中黒3つ)
  • ... (ピリオド3つ)
  • … (日本語変換の「三点リーダー」)
  • … (エリプシス)

どうみても「三点リーダー」と「エリプシス」との違いがわからないのだが、それはどうも、文字コードが云々とかいう大人の事情らしいので、ウェブで使う分にはあまり気にしなくてもいいのかもしれない。

他にも、日本語文字と似てるけど、英文においては本来こっちを使うべき的な文字がところどころにあるんじゃないだろうか。個人的にはMacの特殊キーを表す⌘(コマンド)や⌥(シフト)とかのほうが欲しいなぁ。

どこで知ったそんなこと

「なんか意味あるの?」項でウンチクたれた話は、今年の2月に行われたCSS Niteで聴講した内容だ。日本では当たり前のように使われている表現をそのまま英文でも使うと、とんでもないことになるよ、鼻で笑われるよ、という話をしてくれた方がいたのだ。具体的にどう笑われるかというと、これを見て日本人がネタにするようなものらしい。それ以降、俺はできるだけ気をつけている。

*1:日本語がONになっていると、“o”を入力した時点で日本語が入ってしまい、失敗する

*2:聞いた話だが

*3:あくまで聞いた話だが

*4:ただし、ウェブにおいては、結局のところPCではunicode化しないと文字化けする可能性があるので、普通にハイフンを用いるのが一般的な気もする